About

Yuko Hasegawa Labについて

このウェブサイトは、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科の長谷川祐子研究室Labが運営しています。長谷川Labはキュレーション専攻の学生を中心に研究活動をおこなっています。

 

長谷川Labは、理論と、展覧会など多様なキュラトリアル実践をともに行うこと、グローバルな視座をもつことをポリシーとしています。掲載内容は、長谷川が指導するゼミの展覧会プロジェクトやチュートリアルを中心に、学生たちがそれぞれに企画した展覧会やプロジェクトの報告です。彼らが関心をもった展覧会や作家、文化的事象についてのコメント、エッセイなども含まれます。卒業生や研究生も含めて、長谷川labをプラットホームとしておこっていることをウェブサイトを通じて共有できればと思ってこのサイトを立ち上げました。

 

私は1990 年代から国際的なビエンナーレの企画、展覧会だけでなく、美術館のたちあげ、パフォーマンスや映画のプロデュース、地域のアートプロジェクトなどグローカルに領域横断的に活動してきました。アートの世界の中心は複数化し、アジアー日本も重要な拠点の一つとなっています。そこから世界に発信してきたキュレーターとしての体験を学生たちと共有、交換することで、多様なキュレーションのありかたをともに模索したいと考えています。私が東京の美術館の他、海外で企画した展覧会やプロジェクト、リサーチについても報告を交えながら掲載したいと思います。

 

現在(いま)におけるアートの意味や役割を問い直し続ける。現在進行形のキュレーターや研究者、アーテイストやクリエイターの試みを、長谷川Labの視点からきりとり紹介するサイトを目指しています。(文:長谷川祐子)

長谷川祐子 Yuko Hasegawa

 

東京藝術大学大学院 国際藝術創造研究科教授

キュレーター/美術批評。京都大学法学部卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。水戸芸術館学芸員(1993〜99年)、ホイットニー美術館客員キュレーター(1993 年)、世田谷美術館学芸員(1993〜99 年)、金沢 21 世紀美術館学芸課長及び芸術監督(1999〜2006年)、東京都現代美術館チーフキュレーター(2006〜16年)を経て同館参事を務め(2016~2021年)、2021年4月より金沢21世紀美術館館長就任。多摩美術大学芸術学科教授(2006〜2016年)を経て、2016年より東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授。
第 7 回イスタンブール・ビエンナーレ「エゴフーガル」展アーティスティック・ディレクター(2001年)、第 4 回上海ビエンナーレ・コ・キュレーター(2002年)、第 50回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館コミッショナー(2003年)、第29回サン・パウロ・ビエンナーレ・コ・キュレーター(2010年)、第 12 回ヴェネツィア建築ビエンナーレ・アーティスティック・アドヴァイザー(2010年)、犬島「家プロジェクト」アーティスティック・ディレクター(2010年〜)、シャルジャ・ビエンナーレ「リ・イマージ: 新たな文化地図をもとめて」展キュレーター(2013年)、第 7 回モスクワ・ビエンナーレ「Clouds ⇄ Forests」(2017年)、ジャポニスム 2018「深みへ―日本の美意識を求めて―」展(2018年)キュレーターなどを歴任。2021年にはライゾマティクスの個展「ライゾマティクス_マルティプレックス」展東京都現代美術館、2021.3.20~6.20)、「シャルジャパン3:リメイン・カーム」展(シャルジャ芸術財団、UAE、2021.7.24~10.1)、「シンビオシス: The Lived Island」展(ジャパンハウス・サンパウロ、ブラジル、2021.11.30~2022.2.6)を、企画した。また、タイ政府からの招聘により、タイランド・ビエンナーレ コラート 2021: Butterflies Frolicking on the Mud: Engendering Sensible Capital」(コラート、タイ、2021.12.18~2022.3.31)のアーティスティック・ディレクターも務めた。

そのほか主な企画展に「デ・ジェンダリズム──回帰する身体」(1997年、世田谷美術館)、「21世紀の出会い──共鳴、ここ・から」(2004〜05年、金沢 21 世紀美術館)、「マシュー・バーニー 拘束のドローイング」(2005〜06年、金沢 21 世紀美術館)、「SPACE FOR YOUR FUTURE──アートとデザインの遺伝子を組み替える」(2007〜08年、東京都現代美術館)、「うさぎスマッシュ 世界に触れる方法(デザイン)」(2013〜14年、東京都現代美術館)、「New Sensorium」(2016年、ZKM)、「Kishio Suga Situations」(2016年、Pirelli HangarBicocca)、「Japanorama: NEW VISION ON ART SINCE 1970」(2017〜18年、ポンピドゥセンター・メッス)、フランシス・アリス個展「La Depense」(2018年、上海ロックバンド美術館)、「Sharjapan-The Poetics of Space」(2018年、シャルジャ芸術財団)、「Intimate Distance,the masterpieces of the Ishikawa Collection」(2019年、モンペリエ・コンテンポラン)など。

著書に『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』(NHK 出版新書、2011年)、『「なぜ?」から始める現代アート』(集英社新書、2013 年)、『破壊しに、と彼女たちは言う──柔らかに境界を横断する女性アーティストたち』(東京藝術大学出版会、2017)、「ジャパノラマ――1970年以降の日本の現代アート」(水声社、日本語版、英語版2021)など。共著にModern Women: Women Artists at the Museum of Modern Art (2010), ed. Cornelia Butler, Alexandra Schwartz. New York: Museum of Modern Art、The Persistence of Taste: Art, Museums and Everyday Life After Bourdieu (2018), ed. Malcolm Quinn, Dave Beech, Michael Lehnert, Carol Tulloch, Stephen Wilson. London: Routledgeなど。